福井県感染症情報

性感染症について

 性行為により感染する微生物には梅毒トレポネマ、淋菌、クラミジア、軟性下疳菌などの細菌、トリコモナス、赤痢アメーバなどの原虫、単純ヘルペスウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス、B型肝炎ウイルスなどのウイルス、毛じらみなどの節足動物などがあります。それらの多くは、病気にかかった部位との直接の接触による以外には感染伝達が起こらない、人体外での生存性が低い微生物です。また多くは感染による免疫が成立せず、再感染を繰り返す感染症であり、ワクチンは未開発です。

主な性感染症





性器や肛門のまわり、唇、舌などに大豆くらいの赤いしこりができる(男女とも)



約3週間



抗生物質を飲む



症状が進むと頭痛、発熱、発疹など全身症状が出てきて、2年以上放置すると肝臓や腎臓が、10年以上だと脳脊髄が侵される。感染に気づかずに妊娠すると、赤ちゃんが先天性梅毒となる。


 



排尿するときに痛い、
ペニスから膿が出る(男)
おりものが増える、
下腹部の痛みがある(女)



約1〜3週間



抗生物質を飲む



クラミジアは不妊症や子宮外妊娠を起こしやすく、感染したまま妊娠・出産すると赤ちゃんに感染して結膜炎や肺炎を起こすことがある。淋病は性器だけでなく、のどや目にも感染し、目に菌が入ると失明の恐れもある。





性器に米粒大の水ぶくれができ、激しい痛みや高熱、排尿痛をともなう(男女とも)



約3〜7日間



抗ウイルス剤を飲む



生まれたばかりの赤ちゃんがヘルペスにかかると、死亡したり重い後遺症が出る恐れがあるので、出産のときにヘルペスの症状が出ている場合は帝王切開(お腹を切って赤ちゃんを取り出す)になる。






性器にイボイボができる(男女とも)



数週間〜3ヵ月



イボを手術でとりのぞく



イボが増えるとかたまりになって、カリフラワーのようになる。一度感染すると、治療をしてもしばらく再発を繰り返すから根気よく治療を続けるのが肝心。
(後天性免疫不全症候群)エイズも性感染症の一つです


免疫力の低下を来した後、日和見感染(病気などで抵抗力が低下している場合におこる感染)、悪性腫瘍を合併してそれらの症状がでる。多くが呼吸器症状(カリニ肺炎など)で、発熱、咳、痰、息切れが多い。


平均して10年ぐらい


治療はだいぶできるようになってきたが、完全に治す方法はみつかっていない。


感染しても症状がでないから、感染に気づくまでの間にも、セックスで他の人に感染させる可能性がある。発病すると、免疫力の低下を来した後、日和見感染、悪性腫瘍(カポジ肉腫)、神経症状が起こる。体力の消耗や直接の死因として重要なものは、持続する下痢と肺炎(カリニ肺炎など)そして脳症です。